2月最初の週末確か3日の金曜日に雪がたくさん降り始め、4日は真っ白の銀世界になった。
零下が続き、この調子で2週間行けば、15年ぶりにエルフステーデントホト (elfstedentocht)「オランダ11都市スケートマラソン競技」が行われるかもしれない、と期待に胸を膨らませたオランダ人も多かった。運河の氷が15cmの厚さになったら、決行されるそうで、この15年の間そこまで凍ったことはない。これは運河を伝って11都市をまわるスケート大会である。
それでもこの週末(10、11、12日)は街の中の運河が凍って子供から大人まで皆、普段は上から眺めている運河に降りて、散歩したりスケートしたりと楽しむ人でにぎわった。
運河にうかぶ船の家に住む人たちが、ドリンクサービスする場面も。。。。
温かいココアやブランデー、スープを売っていた。即席カフェで皆でこのわくわくする凍った運河での休日を楽しむ。
プリンセングラハト(運河)の上を歩いた後は、西教会の近くにある、最近リニューアルオープンしたチューリップミュージアムへ。ここは知人の日本人女性建築家、根津幸子さんが内装を手がけていて、明るくてかわいい雰囲気。ここには春が。。。
今日、メンデルスゾーンのピアノトリオ、ニ短調の一楽章をハイテンションで一人で練習していた。
実は、生徒が来る少し前だったので、部屋の空気を入れ替えながらと思い、窓も少し開けて、廊下に通じる部屋のドアも開けて。外は雨だし、誰にも何も言われないので(!?)時々窓開けて弾いている。もちろん近所迷惑な話なので、ときどき、ちょっとだけ。(外は10度以下で長いこと開けていたら、フォルテピアノによくない)
ふと手を止めると、同じ音楽がヴァイオリンとチェロパートつきで、聞こえてくるのだ!
え、え、え、どこから聞こえてくるのか?
誰かがCDを聞いている。
このピアノの部屋を10年以上使っているが、こんなに聞こえてくる程の音量でクラシックを聞く隣人は知らない。
同じ曲の同じ楽章を?!
ふとみると、開けたドアの所に見知らぬおじさんが。。。。。。。!
‘Fantastic!’
と親指をあげてにこっと笑い、見てる。
‘Do you live here?’
と弾きながら聞き返すと、(そんなにしゃべれる余裕のある曲ではないので、とっさにこう聞いた)手振りで、いいから続けて、気にしないで続けなさい、という様子で部屋に戻っていってしまった。
この1年ほど、私の隣の部屋はホテルとして貸し出しているようで、週末などに毎回違う観光客らしき人が2、3人で泊まっている。そのおじさんもきっと短期滞在で来たのだろう。
そのうち生徒さんが来て、そのレッスン中にそのおじさんが外に出て行くのが聞こえた。
それにしても、旅行中にたまたまメンデルスゾーンのピアノトリオといういつも、誰でも聞くような曲ではなさそうな音楽を持って来ていて、ホテルと思っていたら隣の部屋からいきなりがーっとうるさい生のピアノが聞こえてきたら、その人もさぞかしびっくりしたことだろう。それもお気に入りの、曲が?おじさんもCDを聞いていて、私がたまたま同じところを弾き始めたのだろうか?!
こんな偶然があるなんて。。。。
同じ曲つながりという偶然から、そのおじさんともっとお話したかったが、レッスンの後私は次のレッスンに出て行って、今日は会えなかった。また明日も滞在していたら会いたい。
Filed under: アムステルダム, イギリスのフォルテピアノ, スクエアピアノ, フランスのフォルテピアノ, 現代音楽/ contemporary music, 自分の演奏会から | Tags: amsterdam, fortepiano, from my concert, Koto, square piano
アムステルダムで6月末から7月初めにかけて ‘Amsterdam Virtuosi 2011′ という室内楽フェスティバルが Geelvinck Hinlopen 博物館であり、6月25日の話になるが。。。。「スクエアピアノ・デー」というスクエアピアノに焦点を置いた日があった。なんてマニアックなお祭り、、、でもイギリスのフィンチコックス博物館などは、同じくスクエアピアノに焦点を置いた、もっと本格的な催し物を今年4月にしていた。
スクエアピアノとは:ドイツ語、オランダ語では tafelpiano (テーブルピアノ)と呼ばれる、一見テーブルのような長方形をした、ピアノ。
昨年からスェーリンク・コレクションというアムステルダムにあるフォルテピアノのコレクションの委員となり、そのコレクションの楽器が数台置かれているGeelvinck 博物館では何かとお手伝いをさせてもらっている。この日はコンクールの審査員と新曲発表のプレゼンテーションに参加。
まずはスクエアピアノの演奏コンクール。
第一回目の開催なので、出演者がいるのか?という心配があったが、4人のフォルテピアノの学生、または卒業生が参加。年齢制限もなく、演奏曲目も自由だったので趣味の方が来るかもしれない、、、と思いきや、専門に勉強した演奏者ばかりで、4人4様の選曲、楽器へのアプローチがあり、とても面白かった。
楽器は4台のスクエアピアノがあった。
審査員はほかに、ウィレム・ブロンズ氏、スタンリー・ホッホランド氏、ミヒャエル・ツァルカ氏。私にとってフォルテピアノのコンクールの審査員というのは、初めての経験だったので、審査のディスカッションはとても興味深かった。
私の中では、これは「フォルテピアノの」コンクールなので、普通のピアノとは違う古楽器に合うタッチで弾いて欲しいという気持ちがあった。そして、その楽器の音色をどう引き出せるか。音楽性、技術(ヴィルトゥオージティ)という点ももちろん大事で、その兼ね合いは、本当に難しいと思う。
初対面の審査員のミヒャエル・ツァルカさんが素晴らしい音楽家で、さらに自分の感覚ととても近く参加者についていろいろとお話できたことが、とても素晴らしい経験であった。
夜には、スクエアピアノのために新曲を作曲してもらう、という作曲家のためのコンクールがあった。8曲の応募作品があり、そのうちの6曲が演奏された。
その時のダイジェスト版はこちら。
youtube ‘square for future’ (composition concours)
女性作曲家二人が一位を分けた。
古楽器で演奏することの意味、なぜ普通のピアノでできるのにこの曲をわざわざ古楽器で、、、など様々なディスカッションは古楽の盛んなオランダでも行われる。
作曲コンクールは、そんな視点ではなく、作曲家が特定のこのスクエアピアノのために作品を作ろう、と思いその特性にあった音楽を作る。出来上がった作品は、特別な調律を要求するようなモダンピアノでは不可能なものであったり、お琴との組み合わせの音色などは、モダンピアノではまったく別の印象の作品になる。
楽器の「個性」を最大限に使って作品を書いてくれた作曲家に、ありがとう、、、と伝えたい。この楽器でしかできないことを、したよ、と。
存在する曲を演奏するのでなく、オートクチュールで新調されたドレスみたく、楽器にしっくりくる音楽がクリエイトされたことに感動した。
楽器の魅力を感じてこのフェスティバルの動機に賛同して、日夜準備し続けたオーガナイザー、スタッフ、作曲家、演奏家と皆の情熱と貢献に拍手、、、
来年もこのフェスティバルが開催され、たくさんの方にこの楽器の魅力を知っていただけたら、と思う。日本では見ることはもちろん、音色が聞けることというのは本当にまれであると思う。眠っているスクエアピアノが日本にあったら、ぜひ眠りから覚まして、その美しさをお披露目してもらいたいと思う。
3月の半ば頃、ベランダの鳩の巣の中に、新しい卵を二つ発見。
今年の冬には、寒くてベランダにしばらく出ないうちに、一羽の雛がかえっていた。
そのときは巣があったことすら知らず、発見した時点でずいぶん大きくなっていて、「あー、いつのまにか巣を作られ、赤ちゃんまでいる!」と思いきや、そのうちに巣立っていった。
最初は鳩がうちで産まれるなんて、ちょっとラッキーなシンボルかな?なんて思ったが、主人いわく「それは白鳩のことだろうー」このグレーの鳩はただ汚していくだけで、しょうがない、、、なんて迷惑がっていた。
新しい卵を発見したときに、処分しようと思って、つかんだ。
そうしたら、温かかった!
まだ生きているんだ、、、捨てられなかった。
その雛も無事に孵った!
我が家では「ポッポの赤ちゃん」を毎日のように眺めて、楽しんでいる。
子供も朝起きて、「ポッポの赤ちゃん、見る〜」と日課になり、一緒にベランダに行く。
「大きくなったね〜」
「大きくナッタネ〜」
「お母さんハトがいるね」
「おかーたんハトがいるねっ」
「さ、もう寒いからドア閉めよう」
「さ、もうさみーからドアしめよ」
なんでも言葉を真似するもうすぐ2歳の息子だが、自分から「ポッポの赤ちゃん見よー?」と問いかけてくるか、あるいは「ポッポの赤ちゃん見るよー」というと、いさんで走ってくる。
おかしなもので、毎日くるこのポッポのメスとオスの両親が顔なじみになってくる。
そうすると無数にいる公園のハトの群れのそれぞれの顔が違って、うちに来るハトが混ざっていたら顔を認識できそうな気がする。
最初は親鳩がかわりばんこに赤ちゃん2羽の上に座って、温めていたが、最近は母鳩がエサを持ってきて、声を出して赤ちゃんは「ピーピー」と鳴くようになった。
ここ数日は、半分立ち上がっていたりするので、巣立ちの日が近いかもしれない。
そうしたら親ハトの役目はおしまいだね!
Filed under: アムステルダム, ドイツのピアノ, 自分の演奏会から | Tags: amsterdam, fortepiano, from my concert
ミュージアムナイトとは、アムステルダム中の45の博物館が夜の7時から夜中の2時という普通ではない時間に開館して、多くの人が、夜のミュージアムの様々な催し物を楽しむ。だいたい11月の最初の週末にある。
その昔には、国立博物館のレンブラントの「夜警」の前で踊る、ディスコが催されたりもあったそうだ。。。
そんなことがあり得るなんて!
オランダ人の寛容さには本当に頭が下がる。。。
私は今回、Geelvinck Hinlopen ハウスでのリラピアノ演奏をさせていただく機会に恵まれた。
この博物館には、スウェーリンク・コレクションという、アムステルダム音楽院でも使われているフォルテピアノのコレクションより、貸し出しという形で、館の中に展示品として、または生きた演奏会に実際に使われる楽器として数台のフォルテピアノが置かれている。リラピアノは、最近修復が終わり、この博物館の「図書室」に見事に収まっている。
図書室は昔のオランダらしく、本棚が天井まで高く作り付けられ、壁中に本がある。
その合間の本がない壁の一面に、美しい壁紙をバックに、リラピアノが置かれている。高い天井からかかった重みのあるカーテン、大きな窓からの景色は運河沿いの通り。
あまりのしっくりさに、最初は感動した。
ピアノに「おめでとう!良いところにもらわれてよかったね!!」と話かけてしまうほどであった。
この博物館はもともと裕福な一家が住んでいた家で、19世紀頃の調度品を中心に、アンティーク家具や美術品に溢れている。中庭も素晴らしいので、観光で来たらぜひおすすめの場所である。
館で働いている、ボランティアの方の手作り衣装にて演奏した。
オランダの昔の布を再現した布で作られている。
8時頃になると、たくさんのお客様で和気あいあいとなり、天井は高いがそう広くもない図書室にはリラピアノは十分のヴォリュームであった。アムステルダムの夜のお祭りを楽しんだ。



















