最近、’laatste loodjes’ (ラーツテ ローチェス)という表現を何度も何度も聞くので覚え、使っている。’Hoe gaat het met je laatste loodjes?’ とか ‘succes met je laatste loodjes!’ . とか。臨月の私の状況にちょうど使える表現で、直訳すると「最後の鉛」。「最後のひと頑張り、追い込み」という意味である。一つ目は 「最後のひと頑張り、調子は如何ですか?」二つ目は 「最後の追い込みがんばってね!」。
偶然というかそれを知ってからか、この ‘lood’ という単語がやたらと耳に入る。’Glas in lood’ はオランダの古い住宅の窓ガラスや引き戸に見られる色ガラスの入った飾り窓。日本語では「ステンドグラス」のこと。あの黒い枠が鉛でできている。
それから、in het lood staan (鉛において立つ)という表現は、「垂直になっている」ことを表す。先日ゲストルームを作るために、屋根裏部屋の壁紙貼りをした。床からまっすぐ垂直になっているかどうかを見るために、糸の先に鉛のついた小道具で調べた。上から垂らし、床までの垂直線を見つける。そこから、この表現がきている。
オランダの住宅の窓で、上に向かって引き上げるタイプの窓は重たくなっているが、それは窓の両脇の枠内にロープで下がった鉛が入っていて、外からは開かないようになっている。だから窓枠の中の「おもり」も lood。
「最後のひと頑張り」は軽くない・・・ということだろうか。演奏会の前でも曲が仕上がる直前というのは一番神経を使って、大変な最後の一歩である。妊婦さんの場合は、実際に重量が重くなるので、引きずるように階段を上る時の感覚と鉛というコトバが妙に合う。