知人がこんな写真を送ってくれた。
アメリカ、ヴァージニアにある第5代目大統領ジェームス・モンロー(1758-1831, 任期1817-25)の家にあったピアノだそうだ。
一見、典型的なイギリスの1800年頃のテーブルピアノ。
でもメーカーのAstor (London)というのは聞いたことがない。ブロードウッド(当時の有名なイギリスのメーカー)といわれてもおかしくないそっくりさである。
当時、小さなメーカーは大きなメーカーと同じ部品を使用してピアノを製作することもあったと聞く。または、有名なメーカーの楽器を修復して、その後には自分の名前をプレートに入れてしまったか。
とにかく、Astor氏はどのような楽器を作った、または修復したのか、演奏可能であれば、音を出してみたいという思いにかられる。
ちょっと調べてみると、面白い手紙をインターネットでみつけた。
Read “the letters about the Astor piano (source: New York Times)
一つ目の手紙は、ブロードウッド社が、’Astor & Broadwood’ というパートナーシップはない、という事実をロンドンタイムズ誌に知らせている。二つ目の手紙では、Astor氏はブロードウッド社にピアノを注文しており、7月か8月にはニューヨークへ船便で送りたいとのことである。1795年の手紙。もしかしてこのピアノがモンロー大統領のピアノになったのかしら?
この手紙を書いた Astor、ジョン・ジェイコブ・アスター(1763-1848)、、、実はアメリカ最初の億万長者で、貿易から富を築いた人であった。
ということで、アスターピアノは、製作者ではなく、購入したアスター氏が自分の名前を入れて売っていたのであった。。。
それにしてもジェームス・モンロー大統領はイギリスのピアノを所有していたなんて、弾くためか、贅沢品として買ったのか、どちらにしても、素敵な趣味をもっていたのだ。