サルデーニャでの思い出

・・・サルデーニャ滞在中の演奏会はもう一ヶ月も前になるが、古い教会の石に響く音響の中、なごやかな雰囲気の中でうまくいった。

サルデーニャで思い出に残っている「顔」が二つある。

ひとつは、演奏会があった1321年建立の教会の中で、正面の祭壇の壁に、古く、色あせかかっている天使が何人(どう数えるのかしら?)かあり、その中のひとりの天使の表情である。こぎれいで美しい天使と言う感じではなく、すこしぎょっとするような、古くてすごみが感じられた顔であった。

もうひとつの顔・・・は教会の管理人をしているカルロスさんである。

毎日来たときと帰るときに鍵を開け閉めしてくれた。私が一人で練習をしていた時に、カルロスが入って来て、「君、歌の伴奏もするかい?」らしき事をイタリア語で話しかけてきた。(そう理解した)

「はい、シューベルトとか、モーツァルトとか?」

「うーん、、、そういうのじゃなくて、アンドレ、とか」

「アンドレ?」

「・・・・」

アンドレというのは、イタリアで流行っている歌手らしい。年代は調べていないけれど、歌謡曲か、、演歌系か。。でも知らなかったから、何か歌いたそうなのを感じたので、うーん、どうしよう「イタリア人の知っている歌、、、」と、安易にオー・ソーレ・ミオを弾いてみた。そうしたら、歌いだした!

気持ち良さそうに一回歌い終わって、もっと、、という顔をしているので、さて困った。

もう一曲、、そうそうこれもあった、と「帰れソレントへ」を伴奏したら、歌ってくれた。

カルロスさんに「クレメンティって知ってる?」と聞いたら、「オエー・・・」という顔をした。

イギリスに渡ったクレメンティは、もうイタリア人ではない、と。確かにイタリアの音楽というよりは、イギリスの影響のほうが色濃く出ているからカルロスさんの気持ちはよくわかる。イタリア人はやはり、明るく、朗々と歌いたいのだなあと思う。クレメンティは少し暗い影がある作曲家で、私はそこが好きなのだけれど、サルデーニャにはやはりあまり似合わない。

オランダに住んでいて、イギリスからも近い曇りの日が多い北ヨーロッパでは、クレメンティもしっくりくる。

自分ももし、イタリアに10年住んでいたら、クレメンティなんて、、、と思うのだろうか。

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