クレメンティッシモでスタート

今年最初の演奏会。

とっても寒い日が続いていて、さらに日本から戻って5日目ということだったので、子供の時差ぼけやリズムが崩れることも心配であった。それに3週間べったりとおばあちゃんや親戚にかわいがられ、甘やかされてきた子供が保育所に戻ったときに、泣いたりしないのかなあ、という心配。

ところが、なんと良い子。保育所にいけば行ったで、ちゃんとそこで遊んでいたらしい。

一日目くらいはときどき泣いたらしく、3日間は時差ぼけもあってほとんどお昼寝をしなかったそうだ。

ただ起床が5時頃だったりしたので、子供と早朝に遊ぶはめに。

でもその3日間をフルに利用してさあ練習!

と朝からピアノの部屋へ直行。12月からちょっと調子が不安定だったモデレーターペダルが、まだヘンで、これではまずい、と楽器のアクションを取り出したりしていたとき、、、、

「ポキ」

という音が。

「あ、やばい。。。」

ハンマーが一つ折れた。とっても初歩的なミスでアクションを取り出すときの注意が足りなかった。。。

修理、修理、、、。ハンマーの修理は意外と簡単で、動物の骨から作られた木工用ののりでつなげるだけ。

幸い切れ口もぴったり合ったので、ひもでしばらく固定しておいたら数時間後には復活した。ほーっ。

さらに、モデレーターの問題もフェルトが動き始める部分のネジを右や左に廻すうちになんとか直ったようだ。

‘ Clementissimo!’ – オールクレメンティというプログラムであったが、反響はとてもよかった。

「ベートーヴェンやハイドン、モーツァルトの誰にも似ていないんですね」

「彼は、モーツァルトみたいなピュア、ミュージシャンとは違うねえ」

「ベートーヴェンみたいな転調や、低音の感じがしました」

どれもこれも、私もそう思う。モーツァルトに比べて「音楽的じゃない」と言ってしまえばそれまでだが、

クレメンティにしかないオリジナリティの面白さは、私も感じるところが多く、ここで言葉で語るのではなく、音で皆さんに徐々にお届けしてゆきたいと思う。

賞をいただいたときも「クレメンティアワード」だったし、今回の急なコンサートでもクレメンティ。

クレメンティにはいつも助けられている。

それにしても、この冬一番の寒い日、となり、部屋では温度約20度、湿度41%だったのが、ホールの温度16−17度、湿度36%と差が激しい所に数時間前から楽器を置いたが、演奏中の調律はそこまでひどくならず、よかった。。

雪のアムステルダム

日本から戻って来たら、オランダは一面真っ白であった。

運河も凍り、手袋なしでは手が痛い。

今年の年明けは地元の薬師というお寺に夜中に初詣に行った。

そこは6号国道に面した、小さな寺であるが、子供の頃には幼稚園もやっていて通ったところであった。

今では毎年の初詣客で、元旦の夜中には長蛇の列ができる。

彼にとっては、生まれて初めての「花火のない」静かな年越しであった。

元旦には筑波山の麓近くの、母の実家に行き、「ゆず」を取るという日本でしかできないことをした。

日本の冬の香りを胸いっぱいに満喫した。

こうして写真で見ると、日本の冬の日差しはほんとうに明るくて、暖冬とはいえ、心が晴れる。