4月の27、28日とアムステルダムのオルゲルパークにて面白いプロジェクトに参加した。Huib Emmerの’Nachthexen’ とAnne La Bergeの’Lonely Stats’という2曲の新曲発表。
第2次大戦中のロシアとアメリカのパワフルな女性、というのがテーマ。
私はNachthexenのオルガンパートで参加。
この曲は、3人のオルガニスト、トロンボーン、コントラバス、フルート、ナレーション、ラップトップ(電子音楽)のために書かれた。
Nachthexen「夜の魔女」とは、第2次大戦中にロシアでは女性パイロットがおり、ドイツにたくさんの爆弾を落としたが、レーダーから逃れる飛行機に乗り、音もなく現れて消えて行くのでそう呼ばれていた。姿を消す薬を飲んでいるのだ、という噂まであったそうだ。3人のパイロットとこのストーリーにインスピレーションを得た作品。
Lonely Stats(寂しい統計)の方は、アメリカの女性にまつわる。同じく第2次大戦中、男性が戦争に行ってしまいアメリカの野球界が人手不足となる。その頃女性のプロ野球チームが発足。その選手達のことがもとになっている。作曲家のアンネいわく、「野球は三振やストライクの数、スコア、すべて統計であり、数で比較されている」作品は、Nachthexenと同じ楽器編成で、オルガンは一人。コンピューターがサインを出したら、インプロヴィゼーションを始めたり、決まったフレーズを演奏したりする。’guided improvisation’ と呼んでいた。
オルゲルパークで、生まれて初めて、コンピュータつきのオルガンを見た!
実は、ハンスさんという方が、発明して作った世界にひとつの楽器だそうだ。
楽器はホールの大きなパイプオルガンのパイプが共用されて鳴るので、音色は生のオルガンのまま。
私は19世紀後半のタイプの小型のパイプオルガンでホッとした。ストップのところに陶器の材質が使われていて素敵だった。モニターで指揮者を見る。
ロシアの軍事ニュース関係の(?)テレビ局で翌日このコンサートのことが放映された。
http://tvzvezda.ru/schedule/programs/content/201005071133-4zo9.htm/201304291026-q4xl.htm
約8分45秒のところ。
タイプの違うパイプオルガンが四方の壁に設置され、とても贅沢感のあるホール!昔教会であったところを改装して建てられている。アムステルダムの中心地フォンデルパークに接する。