ある日のピアノの苦労

普段あまり、文句はいいたくない(と心がけているつもり)方なのだが、今回はあまりにも逆上して、でも抑えて、こらえて、何事もなかったかのようにコンサートを終わらせようと努力したけれど、でも後味もずっと残っている、、、ことがある。

ある大切なプライベートのパーティにピアノトリオで呼んでいただき、リクエストでメンデルスゾーンの一番を弾くことになった。

結果的には、大成功で本当に皆さんに喜んでいただけた。

 

問題は、、、そのベヒシュタインのグランドピアノを会場にレンタルしてくれたピアノ屋さん。調律とオーバーホールも手がけるらしい。モダンピアノを弾き慣れていないので、重いピアノだったらメンデルスゾーンの早いパッセージなんて弾けない。そのため、数週間前に一度試弾に行った。すごーく、狂っている。一年以上調律してない&弾いてない感じ。話によると、最近弦を全て新しくしたから、とのこと。もうすぐのコンサートまでに、安定するのだろうか?!

「2週間後にもう一度来たいので、それまでに調律していただけますか?あとイントネーションの違うこの変を少しそろえてもらえませんか?」と一応丁寧にお願いする。

 

2週間後。何にもしていない。。。。

パーティを企画するKちゃんに、(お金を払う)お父様には内緒にしてね、と2回目にもピアノが変わってない状態を話したら、逆上して、別のピアノ知ってるから、試弾してきて、と。それも試弾にいく。たまたま夜の10時に、、、、その時にしかもうできないというので。。。偶然近い場所だったのでそれはできた。

それはヤマハのG3で、調律はずっと良く、タッチもずっと揃っていたが、音色の面白みに欠けると思ってしまった。音色はベヒシュタインのほうがよかった。もしあのピアノが当日までに調律されるなら、、、それに賭けたい、と思った。それにそのヤマハのほうがレンタル料が高く、お金を出す方に急な変更を知らせるのも、気がひけた。ベヒで行く!と意気込んで、必ず調律をするようお願いすることに。

 

彼の理由1。「レンタル料に、事前調律は含まれていません」

(なに〜〜〜)

これがわかったのが、コンサート3日前。

 

Kちゃんが調律一回分を追加で払うことを彼に話して、合計3回の調律を当日までにすることを約束。

彼は「コンサートでは、全ての音がちゃんと並んでいることを約束する」と私にも話した同じ言葉を断言。

 

前日練習、、、、今も狂ったまんま。

彼の理由2。弦を張り替えたばかり。ーーー>それも1年前ということがわかる。それから調律してないってこと??

さらに付け加えると、事前に練習に来た私に、ちょっと当惑気味。あまりウェルカムな雰囲気ではなかった。モダンピアノで事前に見に来る人って、いないものなのだろうか?

 

ヴァイオリンとチェロの二人も話の過程で心配になって当日到着。

ベースのオクターブでさえびゅーんとうなるのを聞いて、みな静かに逆上。。。

Kちゃんは彼と裏で話に行く。

「震えが抑えられないぐらい、怒りながら、でも話した」そう。

「全ての音が並ぶ、と約束したでしょう?」

 

で、彼の一言「お金を払わないなら、ピアノに鍵締めて、持って帰るよ」

 

このメンタリティーって何でしょう?開き直り?

オランダ人にしても、普通じゃないです。

弦が新しいかろうが、誰にでもわかる狂いを直せなかったのだから、そのピアノをオファーするべきではなかったと思う。

企画者は、よけいにお金も払ったのに問題解決されず、嫌な気持ちだけが皆に残った。理解不能。。。

 

でも素晴らしい音楽が私を奮い立たせ、演奏中は集中でき、無実なお客様には音楽だけを届けることができた。

いや、あの怒りパワーを、音楽に救いを求める形で結果的に表現としてぶつけたのかもしれない。

 

どうするのがよかったのか、未だにわからない。

もっと早いうちにピアノを変更するべきだったか。

彼が次回来るまでに調律してくれるだろう、という甘えがいけなかったか。お金に含まれているかどうか、の確認。調律しても直らない問題が残る楽器なのかどうかの確認? でも最高の状態のピアノを提供しようとするのが、ピアノ屋さんのお仕事ではないのかなあ。。?

 

う〜ん、学ぶべきレッスンだったのだろう。

モダンピアノで弾くことによって学んだことは大きい。身体の使い方の違いを、改めて認識できたり、自分の好みの音色やタッチのピアノを見直す良い機会ともなった。

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