ミュージアム・ナイト in アムステルダム

11月3日(土)は Museum N8 (Nacht – 夜)であった。

これは、アムステルダムの博物館(56館が参加)が夜7時から夜中の2時まで開き、様々な特別な催し物をやっている。毎年開かれ、一週間前にチケットは売り切れだったそう。

http://museumnacht.amsterdam

私はピアノラ博物館で、宣伝も兼ね、20分バージョンのマギーポディウム(9月13日のブログ参照)で2回参加させていただくことに。

 マギーポディウム(facebook いいね👍ボタンお願いします♪)

初演での反省点、隅々まで気が行き届かなかったオランダ語のセリフを初演よりはコンパクト、かつ正しくしようと、息子の前で練習してみると、直されるわ。。。9歳ともなると、オランダ語もきちんとしてきているようで、息子の話す程度の言葉遣いと文章の長さが、子供向けに話すのにはちょうど良い感じであった。

いつも日本語を教えようと、躍起になっている母の真剣さはのれんに腕押し。その代わりちゃんと学校で勉強しているオランダ語は、母の適当な文法で渡り歩いてきたものとは違うきちんとした響きがあり、頼もしく思う。

ミュージアムナイトのピアノラ博物館のところを事前チェックすると、LGBTQ 推薦マークが! レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア の略です。(はい、勉強になりました)

実は本番3日前に、「drag queen のグループの方たちとコラボするのどう思う?すごく美しくて、クラシックの歌曲を歌うの。」という電話があり、「はあ?グループ名?彼らのリンクを送ってくれますか?」などと無知な返事をしたところであった。

(もし私のようにこの言葉を知らない方のために。。。簡単に言うと男性で女装の方)

結局、持ち時間も短いし、コラボするのにリハーサルする時間もないので、自分のプログラムだけ集中するということに。

当日。なんと美しい女装集団が、楽器の調律を終えた頃、続々と到着。

香水がんがんの匂いの中、着替えとお化粧に忙しく、実は胸は毛むくじゃらだったり、ゴツゴツの足にストッキングで超高いハイヒール。。。デーモン閣下顔負けというか、仮想舞踏会の仮面というか、美しい厚化粧。10人近いグループでバックステージが賑わっていた。

「ハ、ハロー。すごい綺麗!」と挨拶してみる。

私のマギーポディウムと、ピアノラ博物館のカスパー・ヤンセンのでモンスレーションの合間に30分ほどのステージを夜中まで演奏していた。

公演を見に来た、自分の子供たちや甥っ子も彼らと写真撮ったり話したりして、、、アムステルダムのコアなところで育つと、こういう夜も5歳と9歳で経験することに。いいのかなあ?!どうなのかなあ?!

彼らのプログラムはまず最初ピアノラの伴奏で、マドンナのマテリアル・ガール合唱。そのあと、グループの一人が懐かしい、音大で必須であったイタリア歌曲集より数曲ソロで歌う。ピアニストの伴奏がとても音楽的で、前奏と後奏で癒される!

 

Vital Stahievitchさんのピアノソロもよかった。(ラフマニノフの前奏曲、スクリャビンのソナタなど)

この日に弾いたスタンリー・ホッホランド氏所有の18世紀のスクエアピアノは2度調律した。スクエアピアノのピンのところに手書きでa、b、c、、と音名があるがとても見にくく、年に2度も調律されるかどうかという状態なので弦が切れないようにすごく気を使ってそうっとピンを回してみる。

ここは味わいのある、アムステルダムらしい博物館で、ヨルダーン地区のお散歩ルートにオススメ!ピアノラミュージアム

 

 

 

ありがとうございました

つくばでのリサイタル、おかげさまで満席の温かいご声援をいただきました。

来てくださった皆様、お手伝いしてくださった方々に心より感謝いたします。

個人の所有とは驚きの、立派な建物。素晴らしい木目の柔らかな音響空間が、オリジナルのクリアーで華奢ででも豪華な音色を包んでくれました。

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リハーサルでは残響の長さに、焦るも、不思議なことに1時間も弾いていると耳が馴染んできます。本番ではお客様が入り、ちょうど良い包まれ加減の残響となりました。

今回のプログラムは

『ロンドンのピアノ音楽』’Music intended to reach the heart’ 〜心に届く音楽〜

と題し、珍しいロンドンでのピアノ音楽に焦点を絞りました。

聴きやすい、親しみやすい音楽がたくさんあります。スコットランドや各地の民謡、ダンス音楽もとても流行っていました。「メロディー」が親しみやすいこと、誰もが知る民族音楽を取り入れたもの、その土地と生活の中にある音楽を基盤として作曲された音楽がコンサートで演奏され、人々が大小のコンサートライフを楽しむ姿が、1800年前後のロンドンにありました。

地元での演奏会だったので、高校時代の恩師や同級生、親戚にもたくさん来てもらうことができ、ん十年前のご縁が続くことが何よりも嬉しかったです。本当に楽しみに遠方から来てくださった方、ブログも見てますよ、と声かけてくださった方、CDも買ってくださった方々、熱心に耳を傾けてくださり、本当にありがとうございました!

つくば山麓の懐かしいエネルギーをたくさん受け取りました。

広々とした関東平野の、まさにその中に立つ、素晴らしい空間でした。

今後とも精進してまいりたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。