チョップスティック オーケストラ

オランダのTheo Thijssenschool という小学校で、4年に一度アートのプロジェクトが開催される。企画は子供の親達!様々なワークショップが、参加するインストラクター(親達)に導かれ、子供達も好きなコースを選んで経験する。3月のお話です。

今年のテーマは「街!」。

マンホールの模様に絵の具をつけて、T−シャツにプリントする、街の中で子供達がストリートアーティストとして、銅像のように静止して立ち続ける、建築の構造を「夢の街」として作成する、音楽を自分たちで作る、子供の年齢に合わせ、ものすごい数のワークショップが開催される。

前回一度やり、体力も時間もきつくなってきたけど、でも最後の一回と思い、またやりました、チョップスティック・オーケストラ。

調律の趣味から、前回のテーマであった「廃棄物」利用の延長で、思いつきました。子供達の映像は載せませんが、数人で手分けして「チョップスティック」というメロディーをお箸で奏でる、というもの。。。 最後の発表会では拍手をいただきました。

参加してくれた子供達、ありがとう!

私のポイントは子供の年齢、音楽センスなど毎年どのくらい、できる、できない、を見計らうこと、時間内になんとかすること!!! 大小様々な空き瓶を前に、調律して音を探す事前準備が楽しいような、虚しいような、ピアノの練習本当はしたいよ、、と思いながらも、でも何かを皆で成し遂げることは、やはり達成感があり、やってよかった!!

 

 

恒例のスクールクリスマス・ディナー

もうすぐ冬休み。

オランダではクリスマス前の週末から2週間がいつもの冬休みである。

そしてその週末に入る前の木曜日の夕方!

オランダ中(?)少なくともアムステルダム中の小・中学校では夕方5時頃に学校でクリスマス・ディナーがある。

うちの子供達の学校の場合は、昼12時頃にいつもより早く学校が終了し、一度家に戻り、小綺麗な格好に着替えて、夕方親が持ち寄りのパーティ料理やケーキを持って、再度学校に。

 

いつも木曜日はピアノのレッスンをしていたのだが、毎年この日はどの小学校の子もこの行事があり、レッスン時間帯に着替えたり、親も料理作ったりすることになり忙しいため、キャンセルが相次いだ。いっそのこと、今年からホリデー前の木曜日はレッスンをするのをやめることにした。

夏休み前の木曜日もそうしよう。。。何せ、もう誰もクリスマス支度とホリデーの浮かれ気分でピアノどころではない。さらに親もその日ばたばた。おかげさまで今年は気分もすっきり、前の週に木曜日の最後のレッスンを締めくくり、自分もはじめてゆっくりと子供のためにお寿司を作って持って行った。

もちろん仕事をしているお母さんもたくさんいて、働いている人にとっては、最後の忙しい週に12時に子供を迎えに来て、といわれることがなんとストレスになることだろう。

 

普段は木曜日に学童保育に申し込んでいるので、うちの子達の場合も12時から早めの学童保育へ。4時頃迎えに行って、着替えさせ、学校に連れていった。学童保育(BSO  Buiten schoolse opvang) は学校の予定にあわせて、臨機応変に夕方までは見てくれるのでありがたい。レッスンをキャンセルしてなかった時は、学童保育の先生に学校のディナーに連れていってもらったことも。それも可能。

 

そして私はぎりぎりセーフでジュースを持っていくだけとか、何も持って行かないことに、、、という余裕のない年ばかりであった。子供達の服装はまったくの普段着とか、、、朝からディナー用にびしっと決めることもできなくて、気がまわらなかった。

 

さて、このディナーは4歳児からある。4、5歳のクラスでは2、3人の親が食事のサーブのお手伝いに来るが、7歳以降ぐらいからは子供達と先生のみ。

8、9歳の息子のクラスになると、女のこはメークもしてきたり、まじでドレス、男の子もスーツにネクタイ、蝶ネクタイの子もいて、これがオランダの将来のマナーを教える機会なんだなあ、と思う。

家の子はネクタイなんかいやー、スーツなんかいやー、「普通」がいい、というので、私もまだ子供だし、学校だし、と適当に考えているので新しいブラウスに、初めてズボンのベルトを着けさせてみた。ベルトだって、初めてすると十分きちんとしてる!

 

この機会にクラスから先生への日頃の感謝をこめて、プレゼントを送ったり、クラスの中で何人か楽器を演奏したり、芸を披露する子もいる。

 

ボランティアの親が、クラスの飾り付けを午後中にしている。

テーブルクロス、綺麗な紙皿やコップ、薄暗いライトの中にキャンドルの燈。

もうオランダ人ママ、(だけでなく学校も?)にとっては、この演出とても大事!

日本でいうと、いかに上手にお寿司が作れるか、よりも、いかにかわいい、喜ばれるテーブルセッティングと雰囲気づくりができるか、のほうが食べ物の内容よりも大事。。。と思われる。

 

 

校長先生や先生だって、キラキラのパーティ衣装で現れる!

子供達はお腹いっぱい食べて、楽しくクラスの皆、先生とこのパーティを過ごし、お迎えの6時半頃から親達は外でグリューワインや持ち寄りのワインなどで、夜の野外パーティ。

その間学校の校庭で暗がりの中、嬉しそうに走り回る子供達。。。

親ものんびり、子供達もこの日ばかりは普段の学校ではない緩んだ日を楽しんで、皆ホリデー前を締めくくる。で、もちろんパパ達もたくさん参加している。子供の学校のためには喜んで、というパパの多いこと。クリスマス行事を、家族で祝う25日だけでなく、親も子も、学校の先生方も一緒に楽しみ、自分も仕事をしない木曜日にしたことを心から楽しんだ。。。

 

 

 

 

新しい流行 スピンナー

「ママー あれ買って〜」

とある水曜日のお迎え時に8歳の息子にせがまれる。

「何、あれ?」

「New rage, spinner!」

オランダでもかっこいい英語ぐらいは子供でも使う。

要するに今一番新しい流行。

そのモノは、二日まえ月曜日の夜6時半からのピアノのレッスン中に9歳の男の子が手にしているのを見たのが初めて。「何、それ?」というと、かっこ良く指に挟んで回してくれた。

私の息子への返事は、

「今週宿題もちゃんとやって、ちゃんとできたら、来週買うかどうか考えるよ」

 

そして木曜日。

この日のお迎えは主人。

夜レッスン後帰宅すると、「スピンナーを探して3件もまわったんだけど、どこも売り切れだよ」

私と意見が違うじゃん。すぐに買ってあげようとするし。。。

「だって持ってないと、かわいそうだから」

「それに、結構ナイスなモノだし」

!!!

 

そして金曜日。

家に二つあるのを発見。

いくつか店をあたったらしい。

一つは息子に,もう一つは4歳の娘にも。

子供は大喜び。

 

そして次の週木曜日。

ネットからタダでできるゲームに、スピンナーが登場していて、父親の携帯でそれを一緒に遊んでいる。数回のタッチで何回回転させたかを競うゲームで、やり始めると、もう一回,もう一回、とスコアをあげるためにやりたくなってしまう。デジタルで回数が表示されるので、実物よりも競争性がある。

その次の月曜日。

2週間前にはなかった生徒さん宅、3時15分と5時20分の生徒宅にも発見。

こうして、2週間でほとんどの子供が持っていると思われるかのスピードで新しい流行は広がっていた。

 

それにしても、何で実物もあるのに、デジタルも必要??

 

オランダの小学校一年生!

息子がこの9月からグループ3、日本でいう、一年生になった。

グループ1、2は幼稚園のような感覚の内容だが、小学校と同じ校舎内にありそのまま3に延長していくようなシステム。

グループ3からが学習の始まり。

アルファベットを毎日一つ以上、週に2、3ぐらいのスピードで学び、それぞれの筆記体で書く練習をしている。さらに母音が含まれた単語例をたくさん発音させ、学ばせている。

例えば’ i ‘ を習うとis, vis, mis, sis.

オランダ語の長母音、aa を学びそれが含まれた単語で練習。 aar, vaar, maar, saar, vaas…

あとは数字に慣れるための問題と、足し算をわかりやすく学んでいるところ。

ときどき工作の時間もあり、体育は週に2回。

週に一度かそれ以下の頻度で担任の先生と歌も歌うようだ。ただ音楽は年間を通して、定期的に外からのスタッフが来て、歌を中心にやるプロジェクトもあり、子どもの行く学校の場合はMuziekgebouw aan ‘t IJ でのコンサートで締めくくる。

アルファベットと計算は、グループ1、2でも予備練習は始まっていた。

7歳のグループ4の子ども達と半々で、合計クラスは25人。

一つ上のグループの子達はもっと難しいことをしていて、基本的にはグループ別に違うことをやっているが、教え合ったり一緒にやる時間もとる。隣のクラスと連携して、グループ3のみ、4のみに分けて隣のクラスとの交流も兼ねて、同じグループのみの時間も儲ける。

いろいろと日本と違うのだが、クラスも少人数で、とても気軽に(?)学習が始まる感じである。

机は5人か6人の寄せ合ったものを5つほど教室内に作り、共同学習がしやすそう。

自分の決まった机の中にいつも入っているのは、今やっているアルファベット練習帳の他に、名前のついた鉛筆一本に消しゴム一個。鉛筆削りが5つのテーブルグループごとに一個。

筆箱を持っていく必要がない。

入学までに何か道具をそろえる、という指示もまったくなく、家での宿題も課されない。

なんだか、親も楽、、、?!

机にはいつも木のサイコロのようなものが入っていて、信号のように、緑の丸、赤の丸、ほかにはクエスチョンマーク『?』の印。勉強中にわからないことがあるときは、『?』を上にして机に置く。

先生は教室をまわっているときに質問のある子のそのマークを見て、『何がわからないの?』と来てくれる。

合理的でわかりやすい^^

自主的に学習させる姿勢が強いように思う。

そうでなかったら、違う年齢とレベルの子ども達を一クラスにはまとめないだろう。

先日、初めての新クラスの保護者会夜7時半。まずはコーヒーか紅茶で一息。先生の案でPharrell Williams の Happyをかけながら教室の中を歩き(またはダンス?!)、音楽が止まったら近くにいる知らない人と自己紹介を互いにする、というスタートだった。3回ほどしかやらなかったので、未だに知らない人もたくさん。でも話した人には親しみが少し持てて、そして音楽で緊張がほぐれて、面白いことするな〜〜〜 またまたさすがオランダ。というよりその担任の先生の考え。子ども達にもそうやってやらせたそうだ。

最近はデジタルボードなので、そういう音楽もYou Tubeでささっと出てくる。

保護者会中デジタルボードの白みの強いあのコンピューター独特の光で目が疲れるなあと思った。

昔使っていたらしい黒板が教室の後ろ、となっている。(明らかに昔はそちらが前、のような位置)

デジボードでコンピューターソフトウェアを教材に併用しているようだ。

新しいことの説明も、グラフィックやアニメーションで説明をするものを見せてもらった。先生もそれを併用すれば、一人で説明して、書いて、、、という時代ではないのだろう。

息子は日本人補修校というのに土曜日だけ通っていて、そこでは昔からの日本式に黒板で勉強している。

ひらがなを中心に学び始め、同じ環境に住むハーフや純日本人のお友達も出来て、とても楽しそう。

生まれたときからここまで成長したかと思うと、感慨深いものがある。

楽しい学校生活が始まるね!

「コーンスープ」か「トウモロコシのスープか」

バイリンガルで子育てをするのに、小さな疑問は毎日のようにある。

なるべく日本語とオランダ語の2カ国語に集中するため、日本語の中にたくさん出てくる英語をどうするか、悩む。

例えば「コーンスープ」と言ってしまえば日本では普通のことだが、まず英語の「コーン」という単語はオランダ語では maïs「マイス」、「コーンスープ」は「マイススープ」と言う。

私は「トウモロコシのスープ」と言うようにする。子供がオランダの中学校にあがり英語の「コーン」という単語を学んだら、または自分で知るようになったら使おうと思う。

日本語の「トウモロコシ」という語感とあの黄色いトウモロコシの形のイメージが一致して欲しいからだ。

でも日本語を貫くのにわかりにくい言葉も多いことに気づく。

スポーツの名前なんて、カタカナばかり。水泳では、バタフライも平泳ぎもクロールも、そしてフィギュアスケート、サッカー、アーチェリー、日本語には英語が多いが、これらの単語にはオランダ語特有の言葉がある。例えば野球なんて、ずいぶん長いことオランダ語知らなかった。 ‘honkbal’。ホンクバル?!想像もつかないでしょう??

他に日本語独自の言葉は?と疑問をもったのが「紙ナプキン」。「紙ナプキン」または「紙ナフキン」これが日本語。

オランダ語では servet 「セルヴェット」。

オランダ人はこの「セルヴェット」を日常よく使う。

日本ではテーブルを拭く「ふきん」があって、それで食事中テーブルが汚れたらふいたり、または手を拭くには「おしぼり」がある。日本人は濡れたタオルをよく使う。それを意識し始めたのは、こちらでは紙で済ませることが多いことに気づいたからだ。

保育所の時から、子供達もクラスメートの誕生日パーティには一人づつセルヴェットがある。オランダ人のお宅で食事をすると、必ず置いてある。もちろん日本でも洋食のレストランには置いてある。

ある時、ベビーシッターさんに、「食事の時、手や口を拭くのはこのタオルを濡らして使ってください」と置いて出かける。

床にこぼしたときは、こっちで、と別のタオル。(他に、テーブル用台ふきんもあるのだが、言うのをやめた。)

先日2回、違う二人のオランダ人のベビーシッターさん、どちらも乾いたまま置いておいたタオルが使われていないことに気づいた。

頼んだのにも関わらず。。。

そして、キッチンペーパーやティッシュ、近くに置いてあったセルヴェットを使っていた。

「ふきん」「おしぼり」は日本特有の文化なのだなあ、と思った。

4歳児のクリスマスディナー

オランダの学校(basic school) の1年生は、日本の幼稚園にあたるのだが、ヨーロッパらしく今日19日はクリスマスディナーという行事。

学校は昼で終わり、夕方5時すぎにまたクラスに集まって子供達と先生だけのディナーパーティー。お料理は保護者が手分けして作り、教室の準備、後片付けも保護者が手伝う。

子供も前の日から「明日はクリスマスディナー。一度家に帰って着替えてからまた行くの」

「着替えて」?!

そ、そんな素敵なディナー用のお洋服は用意していません。。。

よくこちらで大人が夜の演奏会や観劇に行く前に、家に戻って「リフレッシュしてくる」という方がいる。身だしなみを夜会用に整えて、出かけ直すのだ。

保育所でも、「パーティ」は度々あった。

クラスの子のお誕生会はもちろん、学校へ行ってしまう子のお別れパーティはとても盛大にやっていた。その度に、テーブルクロス、紙ナプキン、自分の取り皿にナイフとフォーク、造花や子供用の電気キャンドルで飾り、照明も暗くする。皆で大きな長いテーブルに向かい合って座り、大人のパーティ顔負け。

学校のクリスマスディナーに、私は後片付けで参加。

イタリア人のパパが作った美味しそうな大きなピザが余っている!

あちこちにネクタイをした小学生、シルクハットをかぶったり、仮装したり。女の子はショートドレスにタイツが多い!

保護者は校庭で立ってワインを片手に大人のパーティをしている!

1年から4年までのディナーを終えたばかりの子供達と大人達で校庭は大混雑。

この土曜日から冬休みなので、クリスマス飾りはすべて取り去った。

この日はアムステルダムのあちこちの小学校でクリスマスディナーを同じようにやっていたらしい。そして次の日は1時間遅く学校が始まる。

1時間遅く始まることで昨日の余韻を親子共々楽しめるところが、良いと思う。

要するに最後の2、3日は冬休みモードでリラックスしている。まだ小さいから勉強もなくていいけれど、高学年でもおそらくこうなのだ。

オランダ人は親も先生も、パーティ好きで、皆慣れている。

kerstdecoratie in TTschool kl

オランダの小学校1

4歳になる息子が5月半ばからbasisschool (basic school)に行き始めた。

オランダでは4歳の誕生日を迎えると学校が始まるので、各自入学の時期が異なる。

最初の2週間はお試し期間で、午前中で迎えに行ってもよいが、その期間が終わると、平日は9時始まりの3時15分終業。(学校によって少し違う)水曜日のみは1時終業の半日、が一般的である。

6歳からが義務教育なので、最初の2年間は日本で言う、幼稚園のようだ。

今やっていることは、デュプロやパズル、積み木、絵をかいたり工作、体育、先生を囲んで床に座って先生のギター伴奏で歌ったり、絵本の読み聞かせをしてもらったり、天気の良い日は校庭で遊ぶ、というようなものらしい。

うちの子供は、最初のうち、ばいばいするときに泣いた。。。

でも慣れた先生が子供の手を取ってくれて、3週間目ぐらいからは泣かなくなった。

午前中の休憩用に、果物を一つと飲み物を持参するように言われた。持って来た果物は教室の中の大きなフルーツ皿に盛るように言われた。後でわかったのは、持ってきたものを食べるのではなく、おやつの時間に先生がまとめて切り分け、配ってくれるそうだ。なんだかオランダらしい。リンゴ、梨、バナナ、オレンジいろいろなものが入っている。

お弁当づくり、というものが始まった!

茶色いパンのサンドイッチをよく残す〜

他のオランダ人皆が食べてるようなサンドイッチ。

おにぎりのほうが、やはり好きらしい。

ココアパウダーでこんな努力もしてみたが。。。

Anpanman bento

白いパンでも具によって食べず、あとは他の子が遊びに飛び出すともう食べるのをやめるらしい。でも全部食べてくれたときの喜び!こんなに嬉しいものだとは思ってもいなかった☆

第2子誕生

3月7日に娘を出産した。

一人目よりは出産もらく、、、とよく言われるが、時間的には短かくなったものの、それなりに大変だった。これで人生最大の大仕事は最後。無事に産まれてきてくれた時の感動と疲労の産後数時間が今でも印象に残る。

始まりはこれから。。。

確かに二人めは一人目よりは余裕ができて、可愛くてしょうがない!

一人めは可愛いと思えるまでに、結構時間がかかった。

産まれてきてくれて、ありがとう。

 

シンタクラースのお祭り

オランダの12月5日は年間行事の中で、女王誕生日についで重要なシンタクラースの日。いうなれば、クリスマスよりも大事な行事である。主に子供のためのものだが、大人まで様々なやり方で祝い、楽しめる。

シンタクラースは日本語のサンタクロースに響きが似ているが違うもので、サンタクロースはオランダ語では kerstman (Christmas man)になる。

シンタクラースは黒人ピートをお供に連れて、蒸気船でスペインからやってくる。
11月の半ばに、「今日、オランダに到着しました」という日が毎年新聞、テレビで報道されて、その日から12月5日まで滞在している。シンタクラースは大きな本を持っていて、そこに名前の載っている良い子のところにきて、プレゼントをくれる。

子供達は、シンタクラースが乗ってくる馬のために、にんじんを靴の中にいれて、暖炉(煙突からシンタクラースが入ってくるので)の所に置いておく。シンタクラースが来ると、ペーパーノーテンやスペキュラース、アルファベットのチョコレートというお菓子をにんじんの代わりに入れておいてくれる。また、シンタクラースはそれぞれの子供に合った内容で、詩を残してくれたりもする。

その詩は韻を踏んで作るのが特徴で、大人になってからグループでパーティをする場合は、誰かにあてて詩を作ってきてプレゼントに添えたりする。

うちの旦那の場合は、子供の頃いつも詩が入っていて、そこには ‘Sint & Piet’より、というサインが Sint と、Piet 違う手で書かれていたという。

去年はまだ何もわからなかった息子も、今年はシンタクラースのお話をちゃんと理解している。シンタクラースの歌もたくさん保育園で習って歌えるようになった。この時期、親のいうセリフでよく聞くのは、、、「いい子にしていないと、シンタクラースからプレゼントもらえないよ」。。。うちもそれが効果あり。

12月5日の ‘pakjesavond’(プレゼントの箱を開ける夜)には、大きな袋のなかから家族それぞれにあてた、プレゼントがぞくぞくと出てくる。(誰が準備したのか?!)

おかげでいい子にしていたのでたくさんのプレゼントをもらって大興奮であった。

子供がいないときによくオランダ人のピアノの生徒さんの親から「シンタクラースの歌をピアノで弾けるようにしてくれませんか」というお話がよくあった。どれだけ大事なのかというのが、子供を持ってやっと一緒に実感できた。このお祭りのいいところは、宗教的ではないオランダ独自のものであるところだろうか。シンタクラースにまつわる楽しい歌もたくさんある。詩を作ることによってそれぞれの個性を考え、頭をひねる。

オランダ中の子供達にシンタクラース一人でプレゼントを配るのは大変なので、「お手伝いシンタクラース」「お手伝いピート」がたくさんいる。この時期になると街の中でお店や市場をうろうろしていたりするのが、楽しい。

2歳児の大きな経験

この夏7月に実は、2週間だけ2歳の息子を連れて日本に帰った。
とっても楽しい日々で、ちょうど地元の夏祭りもやっていて夏らしい日本を満喫した。
印象に残ることはたくさんあるらしく、
「お祭りも見たねー」
「アイシェ食べたねー」(アイシェはアイスのこと、オランダ語の子供ことば)
「ばーばに会ったねー」
「飛行機に乗ったねー」
「かーん、かーん、かーんって踏切見たねー」

断片的な思い出を一ヶ月半たった今も、幾度となく言葉にする。

オランダ人の親戚や保育所の先生にも、「ボク、日本に行ったの」「飛行機乗ったの」と開口一番に未だに言う。(オランダ語で)よっぽど飛行機に乗って、違う文化の日本という国に行ったことが強く印象に残っているらしい。

その後、ちょっとした問題が起きた。
約2週間、保育所生活に慣れなかった。週に3回保育所に預けているが、3週目の終わりになって、やっといつもの息子らしく楽しめるようになった。とくに2週間の間は、オランダ語を「一言も話さなかった」日もたくさんあるそうで、話しても「飛行機」または「Nee!」(オランダ語のNo!)のみ。泣いてばかりで、ご飯も食べたがらず、皆とも遊びたがらず、先生の膝の上で「ママー」と泣くばかり。
一度は保育所から電話があり、早めに迎えにいった。

かわいそうだった。日本に行く前の一週間、主人が出張で一週間いなかったので、日本語のみの生活を3週間ほどしたのだが、その後、オランダ語がどこかへ飛んでしまったのである。口をついて出てこないのは、自分でもつらかったに違いない。

夏休み中で、保育園の大の仲良しのお友達もちょうど休暇でいなかった、というのもあるようだ。なじみの顔もなく、オランダ語で遊ぶ気もない、、って。

先生には「日本ではパン食べないんですか?」と聞かれた。
前は食べていたのに、昼食のサンドイッチを食べたがらない、と。

日本でパン食べるけれど、オランダのパンとは見た目も色も味も違って、子供はなかなか日本でのパンを食べなかったので、おそばやうどん、ご飯が多かった。

でもお友達が戻って来たり、慣れて来たりと、3週目の終わりには元の息子になり、お外でも遊ぶようになり、お昼のオランダのチーズのサンドイッチを食べ、歌を歌ったりするようになった。

バイリンガルで育てる時に、こんなこともあるのだなあ、という経験。
でもまたすぐに、オランダ語が優勢になるのだろう。。。