もう2週間も前のことになるが、二人の日本からの助産師さんがオランダの出産事情や、働く女性と出産、ということの実情を調査しにいらっしゃっていた。そのモニターになってくれませんか、といつも行っている助産院を通じて連絡があったので引き受けた。
問診を受けたり、お腹の触診のチェックの様子を見ながら、今何を質問しているのか、コンピューターでのカルテのシステムはいつ頃からオランダではしているのか、などとこちらのやり方を聞いていた。オランダではもう少なくとも10年はコンピューターで一人一人の情報管理をしているそうだ。私の通う助産院には4人の助産師さんがおり、そのうちの一人が出産に立ち会うことになっているので、どの人にも会っておくように、と言われている。私のカルテを開くと、4人の誰もが状況を把握できるようになっている。赤ちゃんがお腹の中にいる姿勢も記号で記されている。
オランダでは約8割の人が、自宅出産で開始し、助産婦さんが陣痛が始まったら家に駆けつける。何かの事情で病院に行った方がよい、と判断されたら即、病院に移る。そして結果的には約3分の1の自宅出産率であるから、とても日常的なことになっている。興味があったので日本の助産師さんに、日本での実情を聞くと、なんと自宅出産率は0、2%で助産院での出産率も1、2%!! ということはほとんどの人は今時自宅出産はしない。
日本での産婦人科不足が言われているけれど、日本中での助産師資格保持者の数は、かなり多いそうだ。助産師さんとの自宅出産ができる環境がもっと増えれば、その問題も解決するのではないかな、とも思うのだが。
ちなみに、オランダでは最初の妊娠2ヶ月頃のエコー検査のあとは20週目にエコーがある。それ以外はもう産まれるまではエコーはなしなので赤ちゃんの姿は目にしない。希望があれば、業者がやっている商業的なエコーや3DのDVD 撮影に申し込める。「身体の声を聞くように」と、オランダの妊婦さん向けの冊子によくある。スポーツや自転車乗り、飛行機での旅行、も自分の判断にまかされることが多い。ちなみにヨガクラスで自転車に乗るのを辞めたのは私一人。出産直前までオランダ人女性は自転車生活をしている。「何かあったら・・・」を言い出せばきりがないが、信頼できる助産師さんに出会えれば、異常を感じない限り、触診だけでも、エコーが少ないことに不満をもったことはない。オランダでは過剰な検査などはないので、放任されているようにも思えるが、そのためか身体は普通以上に敏感になっている。
お腹を触って想像する限りである。