Faces

今日は私が参加しているFACES というバンドについてのお話。
本格的にリハーサルがスタートしたのは、2008年だったか。

その結果が実となり、昨年は’Tijdlus’(タイドルス。英語でtime loop-時のループ)というタイトルのツアーで8つくらいのライブがあった。

このグループの活動は普段のクラシックとは全く違う方向性の音楽であるが、私はとっても楽しく参加している。

電子音楽、ロック、実験的サウンド、ノイズによる即興、親しみやすいメロディー、クラシックな要素、いろいろ混ざったTijdlus のプログラムであった。そしてそれらが映像と共に演奏される。

決して即興音楽のグループではなく、メインの作曲家が二人いる。
曲の中に、即興するスペースがもうけてある事は多い。

映像アーティストのヨーストが作った古い映像や斬新なサンプル映像、自分で作ったグラフィックなどを組み合わせて、私たちの音楽とコラボレーションしていく。その場のライブでの映像操作もあり、このグループの面白さはライブでしか味わえないと思う。

私はグループから借りているシンセサイザー「ARP -アルプ」、ハモンドオルガン、さらに自分のスピネット(17世紀の鍵盤楽器、チェンバロに似た、弦をはじく音がする)を弾く。

ケーブルがいっぱい!


これらは昨年の写真。

今年は William Mumler という19世紀のアメリカ人心霊写真家をテーマにしたプログラムである。

ヨーストの映像が、今回はヴィデオではなく35ミリフィルムに創作された。
ヴィデオで凝った映像を作った後、フィルムに撮り直し、味わいのある映像となった。もはや即興操作はほとんどないが(色彩は少し変化できる)私達の音楽とぴったりとフィットしながら進むところが、すごいと思う。
ヨーストはもともとフィルムメーカーなので、彼の本領発揮。
4月にはアムステルダム、ウェスターパークのフィルム・ビエンナーレにて、選ばれたフィルムメーカーの一人として、映像+音楽のFACES が参加。大きな反響を得て、Mumler プログラムは今年、来年のツアーに向けて準備中である。


FACES
Joost van Veen(film), Huib Emmer(electronica, electric guitar), Lukas Simonis(electric guitar), Nina Hitz(cello) en Kaoru Iwamura(spinet, synthesizer ARP, Hammond organ)
http://www.myspace.com/tijdlus